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横路 悠*; 花室 孝広; 中島 和夫*
Resource Geology, 63(4), p.384 - 393, 2013/10
被引用回数:8 パーセンタイル:37.68(Geology)炭素,酸素,硫黄等の同位体を用いて熱水活動の起源や流体の温度,化学組成等を推定するための技術開発の一環として大堀鉱床を事例とした研究を実施した。大堀鉱床は、東北日本のグリーンタフ地域の銅・鉛・亜鉛鉱床の一つで、スカルン型鉱体(蟹ノ又)と鉱脈型鉱体(中ノ又)から成る。炭素同位体比は白亜紀のスカルン鉱床に比べてやや低く、熱水活動の影響が考えられる。硫黄同位体比は両者で大きな違いはなく、同一の起源が考えられる。
中田 正隆*; 笹尾 英嗣; 小室 光世*
Resource Geology, 63(4), p.404 - 411, 2013/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.04(Geology)ウラン鉱床の酸化帯ではさまざまなウラン二次鉱物が産出する。これらの二次鉱物の生成プロセスや生成環境を明らかにすることによって、地表近傍の酸化帯におけるウランの移行や遅延挙動の解明に貢献できる。我が国最大のウラン鉱床地帯である東濃地域では、燐灰ウラン石,燐バリウムウラン石,燐ウラニル石,燐銅ウラン石などの多様な二次鉱物が報告されているが、それぞれの生成プロセスや生成環境については明らかにされていない。そこで、東濃地科学センターに保管されている鉱石試料のX線回折及び化学組成分析を行った。その結果、東濃ウラン鉱床の酸化帯の礫岩中から、燐灰ウラン石の一種であるサブガライトが同定された。この鉱物は、陽イオンとしてカルシウムとマグネシウムを含んでおり、水素イオンの代わりにアルカリ土類もしくはアルカリ元素が取り込まれたことを示す。このことは、地表近傍の環境では、リン酸濃度が高い場合には、ウランの溶解度は低いため、さまざまな元素を取り込みながらリン酸塩鉱物として保持されることを示す。
島田 耕史; 田中 秀実*; 齊藤 友比古*
Resource Geology, 58(2), p.196 - 202, 2008/06
被引用回数:2 パーセンタイル:15.95(Geology)断層活動による岩盤の破壊によって生じる水素ガスは、断層の活動性を評価する際の重要な指標となる。しかし、活断層沿いの水素ガス濃度は空間的に不均質で、高濃度から検出限界以下までの値を示す。この空間的不均質性の把握は、活動的な場やガス通路の特定による重点観測地点の選定に有意義である。しかし、従来の野外測定技術は、高価かつ大型のため、多点測定が困難であるとともに、設置時の擾乱が数日から最高2週間継続する問題があった。これらの問題を解決するために、安価かつ小型化した装置を組み立て、擾乱を小さくする設置方法を提案する。跡津川断層で試験した結果、設置時の擾乱は穿孔後35分以内に終了した。この手法を用いることにより、活断層沿いの水素ガス濃度の時空間的不均質性を、短時間で検討できると考えられる。
飯田 義正
Resource Geology Special Issue No.15; Proceedings of the 29th International Geological Congress 1992, p.299 - 308, 1993/00
鉱物溶液平衡論に基づいた鉱化、変質帯の形成プロセスを、不整合関連型ウラン鉱床について考察した鉱床に伴う変質岩の鉱物共生関係を明確にし、その結果を用いて変質帯の鉱物分帯を行った。鉱物分帯のパターンから、カオリナイト-カリ雲母-スドーアイトの鉱物組み合わせが鉱化溶液と平衡関係にあったことが推論された。不整合関連型ウラン鉱床の鉱石は、ラフィトに密接に関連し硫砒鉱物に富む還元鉱と、グラファイトに伴わず赤鉄鉱に富む酸化鉱の2種類に大別される。このうち、酸化鉱については、鉱化溶液が変質帯を横切るにつれて構成鉱物組み合わせの変化に伴いPHが上昇することがその生成機構であると推論した。還元鉱はグラファイトまたはCH4によりウラニル錯体が還元されて生成したと考えられる。